おそらく現在レスリングの男子選手で一番有名なのは乙黒拓斗(おとぐろ たくと)選手ではないでしょうか。
私もノーマークだったのですが2018年にブタペストで行われた世界選手権で男子フリースタイル65kg級初出場で優勝した時からがぜん注目度が上がりました。
とはいえJOCエリートアカデミー(オリンピック級選手養成のための機関)出身でガデット(16・17歳の部)では金メダルを取っていたらしいので若い頃から将来を嘱望されていたことがわかります。
19歳での世界選手権優勝は日本男子の史上最年少記録です。
私から見た乙黒君の魅力を語ります。
強い
乙黒君、強いです。
憎たらしいほど強いです(笑)
世界選手権の試合中痛めた足を頻繁にアピールしていました。
たぶん致命的な負傷なら逆に相手に悟られまいとすると思うので、このアピールは相手を油断させるか、もしくは自分のコンディションを整えるための時間稼ぎではないかと思うんですよね。
世界選手権の時も10代で初出場だったら普通はアガって当然じゃないですか。
最高の舞台でこれができてしまうところがナミの心臓ではありません
その2ヶ月後の天皇杯決勝ではアンクルホールドを決めるや否や、相手の高谷選手を連続回転させて開始わずか40秒足らずでテクニカル勝利を収めてしまいました。
ヒール(悪役)キャラ
彼、真面目でおとなしめで口下手な人が多いレスリング界では、結構大口を叩くヒール(悪役)キャラなんですよ。
そこも魅力です。
前述した天皇杯決勝このインタビューでは、世界選手権の優勝がまぐれだっていうやつがいたのでそうじゃないことを今日証明できて嬉しい、みたいなことを勝利者インタビューで述べていました。
憎たらしい(笑)
しかしその半年後の2019年6月に行われた明治杯では、決勝でリオ五輪銀メダリスト樋口黎選手に敗退してしまいます。
僅差ではなく結構ポイントを取られてのテクニカルフォール負けでした。
試合中何度かレフェリーの判定がおかしいというジェスチャーをしていましたね。
試合後はよっぽど悔しかったのでしょう。
本当は表彰台で表彰を受けなければいけないところ、しばらく奥に引っ込んでしまいました。
このまま表彰式をボイコットしたらどうしようと私はハラハラしてしまいました。
しかし翌月のプレーオフでは5-0で樋口選手へのリベンジ(復讐:負けた相手に勝つこと)に成功。
ボクシングなどの打撃系では、勝敗に不確定要素が含まれるので、少ないとはいえリベンジが起こり得るのですが、実力がそのまま結果に反映されやすい組技系ではなかなか難しいです。
ラッキーパンチという言葉は良く聞きますが、ラッキーフォールという言葉はありません。
それなのに、2週間前に、自分からテクニカルフォールを奪った相手をゼロ封の完勝でリベンジするっていうのは、すごいです。
勝利者インタビューでは「負けることに慣れていない」と発言。
憎たらしい。そして強い。
こんな風に乙黒君を一言で表すと「憎たらしいほど強い」なんです。
そんな乙黒君のかわいいところ
でもね
以前雑誌ナンバーかターザンのインタビューだったかと思うのですが、
エリートアカデミー出身だと判官贔屓で相手選手に声援が送られがちでそんなことには小さい頃から慣れている、という発言がありました。
そこにお姉さんは彼の強さゆえの一抹の寂しさを垣間見たようで「かわいい」と思ってしまうのですよ。
これからも圧倒的に強くてちょっとだけ陰りを見せるヒールキャラで頑張ってほしいと思います
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